初めてのヨットレース。Part2

次は、セールのホイストについて考えましょう。
セールは風をはらんでいる時、ホイストすると時間がかかって仕方ありません。セールに風をシバさせながら、ホイストするのですから、速攻であげましょう。
そのためには準備です。
メインセールはきちんとブームの上に、ラフを揃えてたたんでおきましょう。
引っかかりなく、スルスルとホイストしましょう。
ホイストの前に、バング、メインシートは緩めておきましょう。
セールタイを外すのを忘れずにね。

ジブセール
ジブセールはファーリングシステムの装備していない艇は、ラフフォイルかハンクスです。ハンクスはできれば、波のないところか桟橋でセットしましょう。
ハンクスはデッキ上にセールがある時に、機走中などで、風が入るとセールがはらんでセールがあがってしまうことがあります。セールを傷めますので、ショックコードなどで押さえておきましょう。

ヘッドフォイルを装備している艇は、ソーセージバッグにきちんとラフを揃えて、パッキングしておきましょう。
工夫ひとつで、簡単にラフを揃えてパッキングできます。
フットに平行にたたんでいくとラフは揃いません。
最初にフットをラフに対して直角になるよう斜めに裏返してたたむと、直角三角形になります。
ラフとフットを直角にしてフットに平行にたたんでいけば、ラフが揃います。
ソーセージバッグのジッパーはリーチ方向からラフにむけてが、閉まる方向です。
ジッパーカーは完全に閉めるとフリーの状態になり、ジッパーは前からも後ろからも割れることが可能になります。
セールをホイストするとジッパーが割れていくので、バッグにパッキングされた状態でデッキ上で、セットできる訳です。

スピンネーカー。
スピネーカーはバッグの背中にフックが縫い付けてあります。
ライフラインなどに取り付け、ホイスト中セールと一緒にあがっていくのを防ぐためです。
スピネーカーのパッキングはピーク、タック、クリューの三点をセットしやすくバッグ表面に出しておきます。
特にピークがぐるぐるねじれない様(チョウチンの原因のひとつ)、ラフテープを手繰り、交差していないか、確認しながらパックします。
フットからスピネーカー中心部を下部から上部にかけて、パックしていきます。

なお、スピネーカーはホイストしている状態を艇上から向かって、左が赤のラフテープで、右が緑(または青)のラフテープで、フットが白のテープを縫い付けているセールがほとんどです。
したがって、赤と緑のテープで囲まれた角(パッチ)は、ピーク、赤と白なら左のタック(クリュー)、緑と白は右のタック(クリュー)ということになります。
それぞれのコーナーにマジックでピーク、タックなど判りやすく表記することで、イカアゲを防止する方法もあります。
また、裏表を間違えないようにパックしましょう。
これらは全て素早くセールをホイストするためです。
セールのパッキングやたたみ方にこだわり、工夫を凝らして、如何に無駄な時間をなくすか。先人の知恵と経験の結晶の一部なのです。
準備、段取りはまだまだあります。
◎ムアリングのクリートはスピンシートなどを引っ掛けてしま います。ダクトテープなどでテーピングしておきましょう。   
◎ プレフィーダーの位置に注意です。
 セールがホイストされている時、ラフテープの下端は、プレフ ィーダーより上にないといけません。
◎バウハッチにスピネーカーを取り込むなら、バウハッチのレバ ーなどにセールを引っ掛けないよう、テーピングしておきま す。
◎スピネーカーの展開中、ジブセールをデッキに置いておく時、 セールを流してはいけません。
 ライフラインに流れ止めラニヤードを張ったり、ショック
 コードとフックでセールを押さえます。
◎スピンポールにセットしたままクローズホールドでタックで きるよう、トッピングリフトを処理します。
 マストカラーにマウントできるように、フックなどでトッピン グリフトを引っ掛けます。
◎ピットマンはもちろんセールトリマーもマジックインクを準備 します。
 オーナーに了解をとって、ハリヤードなどのコントロールロー プにマーキングしましょう。
そのほか搭載備品のチェック、必要備品の配置などやるべきことはキチンとしましょう。
面倒だと思った瞬間に、勝ちから遠ざかります。
速く帆走るために弊害となる要素は、予想のできる範囲は最低限、排除しましょう。

速い艇は、あとかたづけも早い。
出航準備もそうですが、クルー各々が今するべきことは何かを判っているから、誰の指示も不要なのです。
他のクルーがしていることを重複して、やろうとせず効率よく違ったことをしようとします。
レースが終わり、帰着までの間に、ほとんどのフィットアウトが終わっていて、あとは水洗いしてカバーを掛けるだけ、なんて状態です。
乗員みんなで、手分けして行うことは、指示なくても判断し行動できる訳です。
ですから、一番に帰着して、遅い艇が帰着したころにはもうカバーが掛かっていて、艇上に人がいない状態になっていることに、この上ない喜びを感じる人もいます。
逆に、シリーズレース(複数レースを数日間通じて行い合計得点で競う)期間中、チューニングをしているような艇にだけはなりたくないものです。
速く帆走らなかった言い訳的に、業者などがよくやる常套手段であったりもします。
レースまで何日もあったにもかかわらず、準備もチェックも何もできていない証拠ですから。
チョーカッコ悪いです。
オーナーはご自身に責任が無いのでしたら、クルーにキレてもいい場面です。

服装にもこだわりましょう。
ヨットをやってない人が見ても理解できる服装でヨットに乗ってほしいものです。
機能的でセンスのよい服装が基本です。
趣味の世界ですから、ええカッコしましょう。
周りのヨットよりイケテルことが、やる気を持続します。
やるからには、優越感をもって、何でも吸収しようとする姿勢と意識が大切です。
判らない人はイケテルと思う人のマネしてしまうか、マリンショップの店員さんに相談しましょう。
ライフジャケット、オイルスキン、デッキシューズ、グローブ、サングラス、帽子などなど、こだわりの一品を選んでさい。
季節、環境によって、必要なアイテムを判断できることも、準備の能力のひとつです。
また、レース中は服装が不快で、そちらに神経をとらわれることのないようにしたいものです。


何であいつらあんなに速いの?
風上からだけやなく、あいつら風下からもスーって、抜いていくからなぁ・・・
知らんうちに、周回遅れになってたぁ・・・
なんて、ぼやいてませんか?
レースの後に、世の中にはいろいろな言い訳があります。
◎ 海藻がからんだ。
◎ 潮がおかしい。
◎ マークの位置がおかしい。
◎ ルールを知らん艇にじゃまされた。
◎ 船底をレース前に、磨けなかった。
◎ オーナーが集合に遅れてきた。
◎ レーティングがおかしい。
◎ カウントダウンを間違えた。
◎ バウマンが出てないて、自信満々にいったから。
◎ 風がとまった。などなど・・・
世界中のアフターレースパーティでは、何億バイトの言い訳が披露されていることやら。
やっぱり言い訳はカッコ悪いとです。
やっぱり勝ちたいとです。速くなりたいとです。

では、どうすれば、ヨットは速く帆走るのでしょう?
まず、ヨットは何で帆走っているのでしょう?ヨットはなぜ止まるのでしょう?
このふたつのこと考えましょう。
これはつまり、セールのエネルギーを最大にして、船底の抵抗を最小にすることなのです。

セールには速いカタチがあります。
セールは3次元です。その立体的な姿カタチを数字で表し、記憶し、再現できれば良いのです。
しかし、残念!風や波は刻一刻と変化します。
ヨットの取り巻く環境が変わったときは、艇もセールもトリムを変えなければ、トップスピードを持続できません。
この集中力も実力(ウデ)のひとつです。
その時々の環境に応じたセールの速いカタチを、如何にロスなく作り出すか。

これがシェイプオブスピード、ベストオブセールトリムなのです。
速い艇のセールトリマーは、常にボートスピード気にしています。スピードメーターだけでなく、体感でボートスピードを意識でき、潮流も体感できると聞きます。舵を持たずにボートスピードを体感できるのは、とても難しいことです。
余談になりますが、ボートスピードを一番先に、体感できるポジションはヘルムスマンです。
舵を持っている人はその艇の状態をほかのクルーに伝えるセンサーであればよいのです。
舵をもって、バウマンのクルーワークの一挙一動まで指示を出すようなことは、そろそろ止めにしませんか。
ツーマンディンギーでさえ、クルーとともにいろいろ考える時代ですから。
いいかげん、めざめなさぁい。
準備はOK?



ベテランは新人さんに、きちんと教えてください。
初めてヨットに乗った人に、決して怒鳴るようなことのないように。
お願いですから、理不尽なこと言わないでください。
ウインチに反時計方向にロープを巻くような方に、レースに乗ってもらうということは、サッカーで例えると、手でボールを触ってはいけないルールを知らない人に、試合中コーナーキックを蹴って貰うようなものでしょう。
そりゃあ、無理でしょう。

ヨット人口が増えることは、全てのヨット愛好家に有益なことに間違いありません。
もっともっと新人さんを大切にしてください。
新しく何か始めようとする人は、いろいろなことを覚えたくて仕方ないはずです。
こんなに練習をしない競技もないでしょう。
きちんと教えられないベテランは、その古びた固定観念に基づいて、理不尽な怒鳴り方だけは、せめて、しないでいただきたい。
古びた経験の自慢話は、日々進化しているヨットの技術にほとんど必要としません。

そろそろセールの話をしましょうか。
セールのカタチを画像に、数字に。
セールのカタチは断面のカタチを数字にして、判断します。
セールの断面の一番深いところをドラフトといいます。
この位置が断面のどのあたりにあり、どのぐらいの深さであるかを判断します。
それには写真を撮り、実測して数字で表現できます。
近頃はデジタル画像であれば、NORTHSAILSの解析ソフトで、アナライズも可能です。
しかし、レース中リアルタイムで、即座に数字で判断し、対応できるまで進化はしていません。
ですからセールトリマーが、速いカタチを覚えるしかないのです。
それには、やはりいいカタチにトリムしたセール写真を撮り、復習、予習することでしょう。

これをひっぱったらどうなるの?
セールのカタチを変えるのには、様々なコントロールロープやぎそう品があります。
ここでそれを整理して、こんがらがった知識も整理しましょう。

記:Good Speed
http://www.optimist.jp/link.htm