BJP Sailing
   
  初めてのヨット購入

初めに、ヨット購入のアドバイスになれればと、今まで経験した40年間のエピソードを交え、関西エリアを中心に提供します。

2025年9月から セーリングヨットに関するエンジン修理、FRP、ハッチ、木製品、レース仕様、ロングクルージング仕様、キャビンライフ仕様への改造などなどの業務を、多彩なエンジニアたちと共に開始します。
  
 
 
  (5) シングルハンドの離着岸
 
  ビギナーでしかも離岸、着岸は緊張の連続です。

まず、離岸はエンジンを掛けた状態で、舫ロープを風上側から外して行きます。

全てのロープが外せたら、コックピットに戻りアスターンにギアを入れ、スローで真っ直ぐに後進し、桟橋に当たらないところでティラーを回し、前進にギアを入れればOKです。

桟橋に降り、フネを真っ直ぐに押し出し、適度なところで乗り込み、操船するのも、ひとつの方法です。

この時のギアの操作は、一旦ニュートラルにしてゆっくり後進から前進にギアを入れ、少し大めにスロットルをあげます。
前進が安定したら、スロットルを戻し微速前進で桟橋を離れます。

フネの方向が定まらない場合には、少し強めにスロットルを上げれば方向が安定します。

少し風のある時には、スロットルのコントロールを強めにします。
 
  次に、着岸です。

着岸前に、湾内の広い場所があれば、フェンダーと舫ロープの準備をします。

舫ロープは、バウに1本とビームの一番広い真ん中辺りにもう1本を用意し、その2本を持って桟橋にゆっくりと降りれば安全に着岸が出来ます。

図の赤いロープです。

ビーム付近にクリートがない場合はサイドステイなどでOKです。

桟橋へのアプローチは、(1)の時点ではニュートラル(または超微速)で、(2)でアプローチ(3)で桟橋となるべく平行に桟橋に近づけます。

ティラー仕様の場合にはラダーリング(ティラーを左右に動かせばフネは進んでくれます)

この時は超微速で、届かない場合には少しだけスロットルを開け、前に進んだら、ゆっくりギアを後進に入れますが、スロットルは開けません。

着岸した時にバウを当てないための後進(ブレーキ)を掛けるためですが、これもスロットルはほんの少しだけです。

フネの半分位が桟橋と平行になったらもう安心です。
ここで停止しても問題はありません。

2本のロープはライフラインに掛け、取りやすいようにしておくと慌てずに桟橋に降りることが出来ます。

ロープを持って降りる時はバウのロープを強く引くと、平行になったヨットがどちらかに向いてしまうので慌てる原因になります。

決して飛び降りないように。ゆっくりフネから降りても大丈夫。

もし、着岸に失敗したら、何度でもやり直せば良いのです。


桟橋に降りたら、ロープを軽く持ちながら、ライフラインやスタンションを手で定位置に移動させ、最大ビーム(横)のロープを桟橋のクリートに仮どめすればヨットは安定します。

次にバウのロープをバウ側のクリートに仮どめします。次に舫ロープを(4)のようにすればOK。

お隣のフネとロープ(緑)を取り合うのも方法です。

ギアを前進にしたまま桟橋に横付けしてからギアを後進に入れストップさせる方法もありますが、風が強い場合にはこれもありですが、フネのギアはデリケートなので、前進から後進にいきなり入れると故障の確率が多くなるので、なるべく前記の方法で経験してください
 
 
ビギナー2名での着岸アプローチの練習中。   やり付(バウ、スターン付)はビギナー1名では、ほぼ不可能。
 
 
後進の離岸練習中。   着岸後の舫ロープの取り方例。
 
   
  (4) セイリングウェア
  大まかな、改良(改造)と同時に、今度は自分のためにライフジャケットやハーネスと云ったセーリングウェアを揃えて行きます。

ここはやはり、セイリングウェアと称されるメーカー品で揃えたいところです。

セイリングウエアにはセイリングウエアの良さがあり、機能性、撥水性、防寒性、防雨性に優れていますし、セイリングのためにデザインされたライフジャケット、ウインドブレーカーやトラウザー、デッキシューズ、グローブは優れています。
「HELLY HANSEN」「HENRI LIOYD」「GILL」「MUST」「Zhik」
「SAIL RACING」「NOTH SAIL」「HARKEN」などがあり、デッキシューズではこのブランド以外に、「DUBARRY」「MUST」「SPERRY TOPSIDER」などが主なアイテムですが他にも沢山のブランドがあり、セイルバッグなども揃えたいものです。

下記、画像はほんの一例です。
ブランドの推奨ではありません。
 
 
冬期、荒天時の必需品
HELLY HANSENジャケット¥40,700〜
HELLY HANSEN トラウザー
¥37,400〜

 

ライフジャケット
セーフティハーネスに対応(上)
HARKEN ¥26,900
インフレータブル(下)
OCEAN LIFE ¥
13,942(国交省認定品)

 
 

3ポイントハーネス
HARKEN ¥17,600
  デッキシューズ
MUST ¥24,750
 
 
ブーツ
DUBARRY ¥57,200〜
  ウインドブレーカー
DUBARRY ¥30,800
 
 
グローブ
HARKEN ¥5,500
  キャップ
GILL ¥ 4,400
 
 
ポロシャツ
GILL ¥8,800〜
 

パンツ
NOTH SAILS ¥ 27,500〜

 
   
  (3) 保管場所が決まったら。
  保管場所が決まったら、まずは舫ロープ、フェンダーで台風が来ても安全なように保管。
ロープ、フェンダーは、ネット購入か西宮近辺のマリンショップで購入出来ます。


中古で購入した場合には、まずは最初、最低でも機走、帆走が安全で問題なく航行出来るよう
確認し、修理しなければならない箇所の修理からスタートします。

次に改良(改造)したい箇所があれば改良(改造)に取り掛かります。

陸電設備があれば設置。
この時、陸電コードや船にも取り入れ口が必要で、電気工事やコード選びは専門業者に依頼してください
製品は「MARINCO」がオススメです。

GPSやオートパイロットなどなどの取付。

クルージングやポンツーンライフには、マリンエアコン(マリンクーラー)、コンロ、レンジ、ポット、TV、オーディオなどなどの装備品が欲しくなってきます。


デッキ上ではジブファーラー、ドジャー、ビミニトップは今や必需品になっています。

自分好みに仕上げて行きます。
 
 

フェンダーPLASTIMO
カバーPOLYFORM

  陸電 MARINCO
 
 
TV、レンジ、ポット   6L冷蔵庫
 
  メインバッテリー以外にリン酸鉄リチウムイオンバッテリーを追加。
RENOGY 100A。

マリンクーラー室外機。KME製。
バッテリーチャージャーCOTEK製 700w
走行充電器 RENOGY
AC電源
インバーター2000w RENOGY
     
 
  航行中インバーターを通じて使用できる製品の目安。
   
 
  (2) 乗り始めて2ヶ月。
 
それも全くヨット初体験のゲストと2人きりで琵琶湖では遠距離(約30マイル)になる北湖の先までセーリングに出かけたことがあります。

エンジンではなくメインセイルとハンクス(今から思えば)のジブセイルのみで。

ヨットの事が何にも分からずでもセイルをアップすれば帆走してくれますし、帆走するうちにセイルトリムも徐々に何とかなるようでした。

この日はヨットだけではなく、モーターボート(YAMAHA STR)とKAWASAKI JETSKI(1人のり)の3艇。

出航は同時でしたが、スマホなど無く視界も悪く、全艇すぐ離れてしまい、結局はシングル航海。

コンパス方位や距離と速度のことも全く気にせず出航したのでした 。

当時はGPSもなく、今から思えば無謀な出航だったと思います。


なんとか琵琶湖大橋をくぐり白鬚神社の鳥居が見える近くまではセーリングで帆走。

しかし、もちろん、北湖まで辿り着くことが出来ませんでした。
目標の航行距離の3分1ほどでリタイヤ。

それは風が無くなりエンジンを始動と思ったがバッテリーの低下なのかセルが回らず。

そのまた昔のクルマのクランキングを思い出し、トライするとエンジンは息を吹き返してくれ、何とか南湖にあるマリーナに引き返せました。

しかし、さてさて、出航時に振り返りもせずに北湖を目指したので、帰港マリーナの位置が分からず、何度もマリーナ沖を探したものでした。

この時のモーターボートの所有者に以前ボートに誘われ「ヨット買ったら?」がヨットライフの初まりでした。
 
 
  1984年ヤマハ25MK2と進水式当日。
この時すでにHHのオイルスキン着用(黄色
)
 
   
  (1) 初めてのヨット購入
 

ヨット購入を考え始めたら、まずは予算に対してヨットのサイズ決め。

次に年式、装備品、搭載エンジン
と状態などの確認。

次は保管場所。

その次は 誰から購入するか?個人と販売業者とでは大きく異なってきます。

さらに、購入後のメンテナンス(サービスマン)の確保も重要なファクターです。

保管場所は予算によって様々ですが、公的マリーナやハーバーであれば年間、1feetあたり2万円〜3万円以上。

そこに年間保管料にあたる保証金が必要になるマリーナやハーバーがあり、関東方面と地方によって大きな差があります。

しかし年間、数万円のボートパークや漁港などに保管可能なところもあるので、年間保管料のコストを低く抑えることも可能です。



しかし、どこに保管するかで購入後のヨットライフが大きく違ってきます。

それは周りの環境(人的、利便性、方向性)に大きく支配されるのです 。

ここで、ヨットライフの方向が決定されてしまうのです。


次に使用目的をハッキリさせる事ですが、これがなかなか難しい。

最初に見る夢は、キャビンライフや離島の入江でアンカリング。

休日は家族、友人を招いてのデイクルーズ。

太平洋横断などの長距離クルーズなどなど・・・。


ここ近年はほとんどの方はシングルハンドでの操船ですが、誰と乗るか、乗せるかも重要な要素です。

さらに、個人(法人)ひとりでの購入、友人数人での共同購入、グループでの購入と方法は様々ですが、個人購入以外では金銭的な負担率や意見の違いで諸問題が起こって来ることを覚悟しておくべきです。


最初は使用目的も定まらないと思いますが、私の場合、友人数人で、しかも全くヨットに乗ったこともない共同所有者を5名集めての購入でした。

購入時の折衝は私に一任され、全員、購入前の試乗もしませんでした。

2艇の候補の中で、キャビンだけを見て決定したのです。

その時の目的はクルージングとかレースとかは全く考えず、言わば衝動買い。

そこには、マリーナを通じての業者さんからの販売だったからなのです。
全てを信じきっていたからと思われます。

そのヨットは中古の25feetのYAMAHA 25MK2「十字屋」(当時のヤマハ系ディーラー)から購入。

エンジンはどこのメーカーかも種類も理解していませんでした。

保管場所は琵琶湖南湖のマリーナで上架保管。

エンジンメンテナンスの技術者も在籍するマリーナでした。

進水式前にボート免許を取得し、進水式がヨット初体験でした。


進水式には「十字屋」さん2名が同乗してくれ、5名たちは恐る恐る、ワクワクの初体験をさせてもらいました。

もちろん、なぜヨットは風だけで帆走するのかさえ知らず、もちろんセイルトリムなど理解していません。


まぁ、これがヨットっていう感じかな〜?がスタートでした。

 
 
  画像は同型艇YAMAHA パンフレットから引用。 保管場所のOGOTO マリーナ
 
   
  B J P Sailing Factory
   
 

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